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専門医が答えるQ&A

回答者: 足立 満 先生(昭和大学医学部 呼吸器・アレルギー内科 教授)
アドエア全般 成人喘息 小児喘息
Q1 アドエアはこれまでの治療とどのように違うのですか?
Q2 相乗作用とは、具体的にどのような効果ですか?
Q3 相乗作用の機序は何ですか?
Q4 アドエアは、配合成分であるフルチカゾンプロピオン酸エステル(フルタイド)とサルメテロール(セレベント)を別々に併用した場合と、臨床効果に違いがありますか。また、なぜ違いがあるのですか?
Q4 何故違いがあるのですか?
Q5 アドエアの気道炎症に対する作用を教えてください。
Q6 アドエアは喘息死を減らしますか?
Q7 アドエアは効果発現までにどれくらいかかりますか?
Q8 アドエアでコントロール良好な喘息患者に対し、どのように治療のステップダウンを行えばよいですか?
Q9 アドエアは海外でどれくらい普及していますか?
Q10 アドエアの粒子径は?
Q11 アドエア50エアゾールの残量はどのように確認できますか?
Q1 アドエアはこれまでの治療とどのように違うのですか?

A1

喘息の病態は気道の炎症と狭窄であり、これまでは吸入ステロイド薬(ICS)のような抗炎症薬に、気管支拡張作用を有する薬剤を併用して治療する必要がありました。アドエアは、吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作動型β2刺激薬の2つの成分が配合されており、1剤で気道の炎症と狭窄を改善するため、喘息の治療がよりシンプルになります。また、効果発現が早く、投与初日から効果が認められ、さらに、配合成分であるフルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル:FP)とセレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)には相乗作用が期待でき、他の喘息治療薬よりも高い臨床効果を発揮します。以上のようなことから、服薬アドヒアランスも向上し、ICS治療をよりスムーズに導入させることが可能となります。

気管支喘息の病態とアドエア
Q2 相乗作用とは、具体的にどのような効果ですか?

A2

FP(フルチカゾンプロピオン酸エステル)とサルメテロール(サルメテロールキシナホ酸塩)を同時に投与することで、FPの主作用である抗炎症作用が高まり、サルメテロールの作用点であるβ2受容体の減少を防止することで、各々の作用を増強しあうということが報告されています。これにより、アドエアは吸入ステロイド薬と他の治療薬を併用するよりも高い効果を発揮します。

  • *フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP):フルタイドの成分
    サルメテロールキシナホ酸塩:セレベントの成分
図
  • *GR:グルココルチコイドレセプター(ステロイドが結合する受容体)
Q3 相乗作用とはどのような機序で起こる作用と考えられますか?

A3

相乗作用の推定機序は以下の通りです。(文章をクリックすると図の該当箇所が点滅します)

  1. ステロイドは細胞質にあるステロイド受容体(GR)に結合し、活性化されたステロイド受容体は核内に移行し、遺伝子と結合することで抗炎症効果を発揮します。
  2. サルメテロールが細胞膜上のβ2受容体に結合するとGRに作用し、ステロイドとGRの結合を容易にするため、より多くのGRが核内に移行し、さらに高い抗炎症作用が発揮されます。
  3. ステロイドはβ2受容体数を増加させます。
    つまり、サルメテロールとFPを同時に投与することで、各成分が持つ効果を単純に足した以上の効果が期待できます。

    さらに、アドエアは配合剤なので、フルタイド*とセレベント*を別々に吸入するよりも、両薬剤が気道の同じ部位に到達しやすいため、相乗作用が発揮されやすいと考えられています。
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相乗作用の機序
  • *フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル:FP)
    セレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)

Q4 アドエアは、配合成分であるフルチカゾンプロピオン酸エステル(フルタイド)とサルメテロール(セレベント)を別々に併用した場合と、臨床効果に違いがありますか?また、なぜ違いがあるのですか?

A4
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アドエアvsフルタイド+セレベント

成人喘息患者を対象に、アドエア100,250,500と同用量のフルタイドとセレベントの併用を比較した3試験、小児喘息患者を対象にアドエア100と同用量の両剤併用を比較した1試験の計4つの二重盲検試験をまとめたメタアナリスが報告されています。個々の試験では有意差は認められませんが、メタアナリシスの結果アドエア群はフルタイド*とセレベント*の併用群よりも朝のPEF**を有意に改善することが示されました。さらに2つの吸入器を使用するよりもアドエア1剤で治療した方が良好な服薬アドヒアランスも期待でき、別々に併用するよりも高い臨床効果が期待できます。

  • *フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル:FP)
    セレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)
  • **PEF:ピークフロー(最大呼気速度)
    呼吸機能の指標の1つ。最大の吸気位から思い切り息を吐き出した時の最大呼気速度
Q5 アドエアの気道炎症に対する効果を教えてください。

A5
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ICS+LABAはICSを増量するよりも気道炎症を抑制
  • 1) van den Toorn LM et al:Respir Med,99;779,2005
  • 2) Li X et al:Am J Respir Crit Care Med,160;1493,1999
  • 3) Lundback B et al:Respir Med,100;2,2006

アドエアはその配合成分に、吸入ステロイド薬(ICS)であるフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)を含有するため、優れた気道炎症抑制効果を有します1)。低用量のICSを使用している有症状喘息患者50例を対象に、セレベント*50μgまたはフルタイド*100μg1日2回を各々追加投与した結果、12週後の気道生検組織中の好酸球数はセレベントとICSの併用群でのみ有意に減少し、フルタイド併用群(ICS増量群)では減少は認められませんでした(図)2)
さらにアドエア250とフルタイド250をそれぞれ1日2回1年間投与した結果、気道過敏性の改善効果はアドエア群で高かったとの報告3)もあることから、アドエアは同量のFPを含むフルタイドより気道炎症抑制効果が強いと考えられます。

  • *フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル:FP)
    セレベント(サルメテロールキシナホ酸塩)
<図中>
BDP:ベクロメタゾンプロピオン酸エステル

BUD:ブデソニド
Q6 アドエアは喘息死を減らしますか?

A6

吸入ステロイド薬(ICS)が喘息死のリスクを下げる事は既に報告されており、アドエアはICSであるFP(フルチカゾンプロピオン酸エステル)を含んだ配合剤です。
海外では、アドエアが発売されて以降、喘息死亡者数は年々減少しています(図)。すなわちアドエアの急速な普及は喘息死の減少に好影響を与えていると考えられます。

米国における喘息死とICS治療薬
Q7 アドエアは効果発現までにどれくらいかかりますか?

A7

アドエアは、投与したその日から効果が発現し、患者さんが効果を実感できる薬剤です。低用量の吸入ステロイド(ICS)ではコントロール不良な15歳以上の喘息患者725名を対象として、アドエア100もしくはモンテルカストとFPの併用治療における臨床的有用性を比較検討した海外の報告では、投与1日目からアドエアの効果は発現し、12週間の投与期間を通じて優れた呼吸機能改善効果を示しました1)
また、本邦でアドエアを使用した成人喘息患者783名に関するアンケートの結果では、87%の患者が「夜間・日中の症状」や「日中の息切れ」等の改善からアドエアに対して「良い」以上の高い評価を示し、そのうちの70%以上は2-3日以内に効果を実感していました2)

アドエアに対する患者評価
  • 1)Ringdal N et al:Respir Med 97(3), 234-241, 2003
  • 2)石原 享介、宮川 武彦:アレルギー・免疫14(12)、1584-1593、2007
Q8 アドエアでコントロール良好な喘息患者に対し、どのように治療のステップダウンを行えばよいですか?

A8

世界の喘息国際指針であるGINA(Global Initiative for Asthma)には、「吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β2刺激薬(LABA)の併用でコントロールが得られた場合は、LABAを継続投与しながら、ICSの用量を約50%減量する方法が優先される」と記載されています。
アドエア250の1日2回投与で良好なコントロールが得られた12歳以上の喘息患者484名を対象に、フルタイド250μgもしくはアドエア100を1日2回にステップダウンし、12週間投与しコントロールの維持率を検討した報告では、アドエア100にステップダウンした方が、フルタイド250μgにステップダウンするよりもコントロール維持が良好でした。
二次選択の代替療法として、「長時間作用性β2刺激薬を早期に中止して、ICSを同じ用量で単剤投与する方法」も記載されています。
また、中用量〜高用量のICSを単剤で使用している場合は、3ヶ月毎に用量を半減するよう試みるとの記載があり、ステップダウンの方法は患者の背景を考慮して決定します。

アドエア250からアドエア100へのステップダウンはFP250より良好なコントロールを維持しました
Q9 アドエアは海外でどれくらい普及していますか?

A9
2008年現在、アドエアは成人・小児気管支喘息治療薬として130カ国以上で既に承認されています。例えば米国においては発売されてからアドエアが急速に浸透し、ICS使用患者数が増え続けています。2007年のアドエア販売金額は全世界で約70億ドル(約7000億円:1ドル=100円で換算)です。これは、喘息治療薬としては全医療用医薬品の中で2番目に位置します。
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米国における喘息死とICS治療薬
Q10 アドエアの粒子径はいくつですか?

A10

アドエア(25/125μgのpMDI:本邦未発売)のサルメテロール及びフルチカゾンプロピオン酸エステル(FP)のMMAD(空気力動学的粒子径の中央値)を、カスケードインパクター*を用いて測定した報告1)では、平均の粒子径は約3μmです。 同様にアドエア500ディスカスのサルメテロール及びFPのMMADはそれぞれ3.57μm、3.54μmでした2)。MMADは吸気速度や静電気等の影響を受けるので一定ではありません。

  • *1) Nagel MW et al : J Aerozol Med, 15; 427, 2002
  • *2) Tarsin WY et al: Int J Pharm, 316; 131, 2006
Q11 アドエア50エアゾールの残薬はどのように確認できますか?

A11

アドエアは日本で初めてのドーズカウンター付pMDIです。従来のpMDIにはカウンターが付いていなかった為、残りの薬剤量のチェックやアドヒアランスを確認することが非常に困難でした。本邦においてアドエア50エアゾールを使用した5-14歳の喘息患者51名およびその保護者の方々を対象としたアンケートでは、60%の患者さんと85%の保護者の方がドーズカウンターが吸入確認の役に立ったと評価しました。

ICSは喘息の長期管理約の基本治療薬であり、毎日定期的に使用することが、喘息をコントロールする上で大変重要です。ドーズカウンターによって医療従事者が患者さんの服薬状況を把握することが可能となり、また、患者さん自身も自分が定期的に使用しているかどうか確認することができます。
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アドエア背面
エアゾール剤に付いているカウンターは、吸入したことの確認に役立ちましたか?
  • 西間 三馨他:日本小児アレルギー学会誌 23(1):147-160, 2009